【看板】和歌山での屋上看板工事中の鉄パイプ落下事故について思う事

看板
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どんな事故?

2019年11月20日に和歌山市内の12階建てビルの屋上広告塔工事のために架けていた足場を解体中に足場材の鉄パイプが落下し、通行人の男性に直撃し死亡した事故

同じ看板屋として思うこと

数日前にも落下事故を起こしていたとの事で、防護ネット等の安全対策を行って作業を再開したと言う事だったが映像を見る限り、特別安全対策を取っていたようには見えませんでしたね。
屋上看板という物の性質上、足場を地上から組み上げていく方法ではなく上から吊る吊り足場で組んでいたみたいなので、正直落下物に対しての安全措置と言うのは「真下を出入り禁止にする」ぐらいしか取れないと思います。

左はこの事故とは関係ないが参考として。
少し見づらいが、写真左下部分のようなコンパネでハネ出した養生を作る事も出来る。この形だと養生の上部分の足場を解体時の落下は防げる可能性が高い。ただ、この場合も最終的にこの養生部分を解体する時には真下を出入り禁止にする以外現実的な方法が無い。

TVでインタビューを受けていた足場業者が「こういった場合は落下防止にロープで一本一本縛りながら解体していく」と答えていたが、正直そんな事をしている業者はほとんどいないと思う。真下に解体した部材を降ろすのであればロープを使うと思う。ただ今回は現場の状況を見る限り解体した部材を横移動で屋上に一度置くはず。そうなると横移動の際にロープが邪魔になるので恐らくロープは使わずに作業すると思います。
結局は作業する人がどれだけ注意して作業するのかの部分が多いのが現在の看板業の現状だと思います。
そういった事を踏まえても私が一番疑問なのは作業時間です。事故が起きた時間が8時20分。通勤時間帯で人の通行が多い時間帯です。なぜこんな人が多い時間帯から作業をしたのか。多くの現場で音が鳴る作業や道路を使う作業は9時以降というルールが設けられています。警察が出す道路使用許可も基本は朝は9時以降です。
9時以降だったら落下が無かった、という事にはなりませんが、危険な作業を行うのにわざわざ人通りが多い通勤時間帯に作業するのは疑問です。
あとは、この元請けの看板屋は個人だったようですが、これだけの規模・危険性のある仕事を請けるだけの体制があったのかどうかも気になる所です。

マスコミの報道で気になった点

マスコミの報道で「落下物に対する安全措置が無かった」と言った内容を見ました。上に書いたように今回の吊り足場という工法では落下物に対する安全措置は難しい部分があります。

上記写真の左が今回の事故のあった看板。右がニュースで「こういった形の安全措置が無かった」と報道されたのと似た形の安全措置(朝顔養生と言います)です。
見て分かる通り、右は地面から足場を建ててその途中に朝顔養生を設置して落下物に対する安全措置としています。左はどうでしょうか?地面から建っていませんよね?上から吊って必要な部分だけに足場を架けています。
元々の足場の架け方が違うので左の足場では右の足場のような安全措置は不可能なんです。
このぐらいは少し専門家などに聞けばわかる事だと思うんですが、そういったチェックがされずに誤った情報が電波に乗っているのはなんだかなぁ・・・って感じでした。
恐らくほとんどの人がニュースでこの内容を聞いていたとしても気にしないでしょうし、気にしてたとしてもしばらくすれば忘れる程度の内容だと思いますが、報道にはもう少し正確で合って欲しいなぁと思います。

まとめ

看板屋という仕事上、どうしても高い所での作業が多く危険が伴います。自分が落下するのはもちろん、何かを落としてしまうと人の命まで奪ってしまいかねない仕事だと言う事を再認識させられました。
幸い私と私の協力業者の方達で大きな事故を起こした人はいませんが、今後も無いように気をつけていかないと・・・。
それには正直施主側の協力も必要になります。口では安全安全と言いながら、その実金額と納期が優先になっている所のなんて多いことか・・・・
施工サイドからは「この作業内容ならお店を休業させて欲しい」と伝えたにも関わらず、お店を休むとその分売上が無くなる事から営業中に作業をさせておいて、いざ作業中に事故(人身ではなく軽微な物損)が起きた時に「なぜ事故が起こったのか」と騒いで報告書を作らせる施主なんてのもいます。
いやだから店休んで欲しいって最初に言うてるやん・・・・

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